2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧
塩基性の強さを比較する問題です。 それでは早速、選択肢を1つずつ見ていきましょう。 【1】……カルボキシル基は、もちろん酸性を示す官能基ですよね。 正解候補にはなり得ません。 【2】……この官能基はグアニジノ基と呼ばれており、塩基性を示します。 2…
オゾンの構造式を選ぶ問題です。 はじめに、あり得そうにない構造から除外していきましょう。 まず、5番の三員環を除外しましょう。 歪みが大きい三員環を、電気陰性度が高い酸素原子で構築できるとは思えません(例えば、過酸化物-O–O-は不安定)。 4番の…
ラジカル中間体を経る反応はどれか……ということなので、反応の途中でラジカルが発生していなくてはいけません。 じつは、選択肢の試薬や反応条件を見るだけでも答えにたどり着けますが、どんな引っ掛けが潜んでいるか分からないので、こういう問題は反応機構…
キラルなのか、アキラルなのかは問われていますね。 頭の中でイメージして判別できる人にとっては、簡単に解ける問題だと思います。 イメージすることが難しい人は、鏡に映した構造を書き出してみましょう。 イメージできる人も、怪しい選択肢については書き…
第102回、薬剤師国家試験を解説していきますね。 化学分野、とくに有機化学を中心に扱っていきます。 この問題では、シスプラチンの構造について問われていますね。 『(SP-4-2)-』という表記は、初めて目にしたと思います。 命名の本を見てみると、たしかに…
第103回の最後は、オメプラゾールに関する問題です。 有機化学の考え方が必要になってきます。 はじめに、各工程で何が起こっているのか見ていきましょう。 オメプラゾールのすぐ近くに書かれている「及び鏡像異性体」という言葉が気になりますね。 硫黄原子…
問210はキレートに関する問題です。 配位子は、基本的に非共有電子対を介して金属イオンに配位しますよね。 このポイントを踏まえて、1〜5の原子がもつ非共有電子対に着目していきましょう。 1と2の窒素原子がもつ非共有電子対は、sp2軌道に入っています…
問209は薬理の問題に見えますが、有機化学の知識も必要です。 早速、解いていきましょう。 セレギリン、レボドパ、カルビドパの構造が示されています。 レボドパはアミノ酸トランスポーターにより脳内に取り込まれ、脳内で「芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素」と…
今回から、実践問題に入りますね。 問題文から、一番長い共役系をもつ化合物を選べば良いことが分かります。 共役している構造を囲ってみましょう。 正解は、明らかに5番の化合物ですね。 構造がsp3混成の状態で書かれている窒素原子があると共役系が途切れ…
問107はNMRの問題です。 NMRの問題は、シンプルなピークから解析していきましょう。 分かりやすいピークから帰属し、5つある選択肢をどんどん減らしていきましょう。 まずは、一重線から特定していきましょう。 基本的に、3–4ppmの3Hの一重線(イ)はメト…
問106の問題を解いていきましょう。 問題文に「アルドラーゼ」、「アルドール反応」、「逆アルドール反応」と書いてあることから、アルドール反応の問題であることが分かりますね。 左側に書いてある反応物Aが分解し、2つの化合物が生成しています。 このこ…
今回は、酵素の活性部位に関する問題です。 とても難しそうな問題が出題されました。 基質タンパク質のペプチド結合、すなわちアミド結合が、酵素によって加水分解されます。 酵素を構成するアミノ酸のうち、この反応に大きく関わるのが、ヒスチジン(His)…
問104は、酸塩化物とアミンの反応に関する問題です。 問題文を読んでみると、反応が途中で止まってしまったので、その改善方法を聞かれていることが分かりますよね。 かなり実践的な問題のようです。 改善方法を考える前に、なぜ止まってしまったのかを考え…
問103は、問題文にSN1反応と明記してあります。 SN1反応の知識をもって解いていきましょう。 【1】……命名法に関する設問です。 鎖状の炭化水素を命名する際には、はじめに主鎖を見極めましょう。 一番長い炭素鎖を探します。 一番長い部分は下に示したとこ…
問102は反応機構に関する問題です。 有名な試薬である「m-クロロ安息香酸」が登場しています。 この試薬を使っているときは、たいてい「エポキシ化」か「Baeyer–Villiger酸化」の反応に関する問題になります。 今回は、この試薬をオレフィンと反応させている…
問101はシクロヘキサン誘導体の立体配座に関する問題です。 設問に色々書いてありますが、まずは最も安定と思われる立体配座を図示してみましょう。 今さらかもしれませんが、シクロヘキサンの書き方を確認しておきますね。 下図のように、平行な線を2本ず…
今回から理論問題に移ります。 問100は非常に難しそうな問題ですが、落ち着いて解いていきましょう。 電子(↑と↓)の総数を数えてみると、17個ありますね。 酸素原子(O)の電子数は8なので、酸素分子(O2)ならば電子を計16個もっていることになりますよね…
問10は、pKa値に関する問題です。 酸性度や塩基性度を比較する問題は頻出ですよね。 化合物の酸性度を比較するときは、プロトンを放出した後のアニオン(共役塩基)を考えると分かりやすいです。 各々のカルボン酸を眺めてみると、酢酸および酢酸にハロゲン…
問8は芳香族性に関する問題です。 芳香族性を示すためには、「①環状に非局在化した π電子を4n+2個もつ」、かつ、「② その環が平面構造である」必要があります。 この2つの条件は、必ず覚えておきましょう。 まずは、「① 環状に非局在化した π電子を4n+2個も…
今回から、第103回の薬剤師国家試験に入ります。 必須問題の問6,7,9は比較的簡単なので、一気に解説しますね(問8は次回です)。 置換基の命名に関する問題ですね。 「2-メチルブチル基」ということなので、ブチル基の2番目にメチル基をくっつければいい…
問213は、バラシクロビルに関する問題です。 この問題で第104回薬剤師国家試験の解説を終わりにします。 【1】……バラシクロビルがプロドラッグであるならば、生体内で構造のどこかが変わるはずです。 プロドラッグの典型的な変換は、エステルの加水分解です…
問211は、前問に引き続き、生体内で医薬品がどのように変換されるのかを考える問題です。 今度は排泄に関する変換ですね。 問題文のとおり、基本的に医薬品は、生体内で水溶性の高い化合物に変換されてから排泄されるんでしたよね。 尿の主成分は水ですから…
プラスグレルという医薬品の代謝経路に関する問題ですね。 問題文から、この医薬品はプロドラッグであることが分かります。 スキームを見てみると、三段階の変換を経て活性代謝物になるようです。 それでは、各段階で何が起こっているのか確認していきましょ…
今回から実践問題(有機化学限定)に入ります。 かつての薬剤師国家試験(〜96回まで)には、この手の問題は少なかったですね……。 私は医療現場で働いた経験がありませんが、化学の力で実践問題を解いてみますね! 【1】……錯体は配位子交換しますよね。 シ…
問106は、NMRの問題です。 問題文に記載されている示性式のような構造を見ながら解いていくと、分かりにくくて間違えるリスクが高いです。 まずは化合物を構造式に書き直しましょう。 このとき、Hを省略したり、メチル基を「Me」にしたりせずに、構造がはっ…
続いて、問105を解いていきましょう。 亜硝酸ナトリウムとHClから発生するのはニトロソニウムイオンです。 反応機構を書けるようにしておきましょう。 【3】のアニリンと反応した場合、塩化ベンゼンジアゾニウムが生成しますよね。 高校化学でもおなじみの…
この問題では、活性メチレンについて、そして求核置換反応について学べます。 これらについて、しっかりと復習しましょう! 下記のように、活性メチレン部位のHを塩基であるナトリウムエトキシドが引き抜き、エノラートが生成します。 生じたエノラートはハ…
続いて、問103を解いていきましょう。 この反応は、ケトンとヒドラジン誘導体の反応ですね。 大学の講義では、「シッフ塩基」とか「カルボニル試薬」という言葉を用いた説明があったかもしれません。 まずは、各々の化合物のどの官能基が反応に関わるのかを…
問102は生体内での反応の、反応形式を判別する問題です。 求核置換反応(SN反応)に分類される反応を選ぶわけですね。 SN反応という用語は、SN1反応とSN2反応のことを意味しているのだと思います。*1 それでは、SN1反応とSN2反応を選んでいきましょう! 【1…
問101はE2反応と六員環(シクロヘキサン)の化学を組み合わせた問題ですね。 学ぶことが多い問題ですので、しっかりと復習しておきましょう。 問題文にE2反応と書いてあります。 強塩基であるナトリウムエトキシド(NaOC2H5)によって反応物のHが1つ引き抜…