【薬剤師国家試験 第102回 問9】ルイス構造式を書いて考えよう
オゾンの構造式を選ぶ問題です。
はじめに、あり得そうにない構造から除外していきましょう。
まず、5番の三員環を除外しましょう。
歪みが大きい三員環を、電気陰性度が高い酸素原子で構築できるとは思えません(例えば、過酸化物-O–O-は不安定)。
4番の構造もジアニオン(マイナスの電荷が2つある)の状態であり、不安定であることが予想されるので除外します。
それでは、残りの1〜3番について、各々の酸素原子がオクテット則を満たしているのか、形式電荷が正しいのかを判断していきましょう。
下に、1〜3番のルイス構造式を示しました。
ルイス構造式にすれば、オクテット則を満たしているのか、形式電荷が正しいのかを確認しやすくなります。
1番のルイス構造式を見てみると、全ての酸素原子がオクテット則を満たしていることが分かります(最外殻に全部で8コの電子がある)。
下の図の左側に示しておきますね。
続いて、1番の形式電荷も確認しましょう。
上の図の右側に示してあります。
共有結合は、各々の原子が電子を出し合って形成されているものですよね。
酸素原子は基本的に、最外殻に6コ電子を持っています。
各々の酸素原子が持っている電子の分だけを数えて、形式電荷が合っているのかどうかを確認してみると、6コのものは形式電荷は0、5コのものは+1、7コならば–1です。
よって、1番は形式電荷も正しいですね。
続いて、2番と3番のルイス構造式を見てみましょう。
オクテット則を満たしているのか、形式電荷が正しいのかを確認してみると、辻褄が合わないことが分かると思います。
以上のことから、正解は1番です。
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問題の出典: 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000168886.html)