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【薬剤師国家試験 第103回 問100】酸素原子の電子数を数えることから始めよう

 今回から理論問題に移ります。

問100は非常に難しそうな問題ですが、落ち着いて解いていきましょう。

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 電子(↑と↓)の総数を数えてみると、17個ありますね。

 酸素原子(O)の電子数は8なので、酸素分子(O2)ならば電子を計16個もっていることになりますよね。

 酸素原子の電子数を覚えていなかったら、H, He, Li, Be, B, C, N, O……と、地道に数えていきましょう。

 ということは、酸素原子3つ分(電子24個分)で構成されている5のオゾンは、すぐに除外できます。

 また、選択肢1と2の一重項酸素および三重項酸素は、どちらも酸素分子(O2)のことを意味しています。

 「一重項」と「三重項」は、電子の状態を表す用語であり、電子の数とは関係がないんでしたね。*1

 そのため、一重項酸素と三重項酸素の電子数はどちらも16であり、正解ではありません。

 残され選択肢は、3のスーパーオキシドと、4の過酸化物イオンです。

 スーパーオキシドの電子数は、イオン式の右上にマイナスが表記されているので、(酸素分子の電子数)+1= 17です。

 一方、過酸化物イオンの電子数は、イオン式の右上に2-と表記されているので、(酸素分子の電子数)+2= 18になります。

 以上のことから、答えは3番のスーパーオキシドです。

 問題の図を見ていると難しそうな問題でしたが、電子数を数えれば正解にたどり着けますね。

 

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問題の出典: 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198920.html