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【薬剤師国家試験 第103回 問106】複雑な構造に惑わされずにアルドール反応であることを見抜こう

 問106の問題を解いていきましょう。f:id:chemist-programming:20200212105517p:plain 問題文に「アルドラーゼ」、「アルドール反応」、「逆アルドール反応」と書いてあることから、アルドール反応の問題であることが分かりますね。

 左側に書いてある反応物Aが分解し、2つの化合物が生成しています。

 このことから、正反応は「逆アルドール反応」であることが分かりますね。

 第104回、問102の選択肢5で解説しました。*1

 ということは、生成物である2つの化合物をアルドール反応により結合させれば、答えの化合物にたどり着けるというわけですね。 

 そのことを考慮して2つの化合物を見てみると、α位に水素原子をもつケトンと、アルデヒドであることが分かります。

 α位に水素原子をもつケトンをエノール化させて、アルドール反応でつなげてみましょう。

f:id:chemist-programming:20200220193748p:plain

 

 生成した化合物を上の選択肢と照らし合わせてみると、3番が答えであることが分かりますね。

   生体内では酵素「アルドラーゼ」によって反応が進行しているため、メカニズムの詳細は分かりませんが、問題を解く際にはアルドール反応を考えればいいだけです。

 

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問題の出典: 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198920.html