
シクロヘキサンの立体配座および配置の問題。
国試にしろ定期試験にしろ、頻出の問題ですよね。
【1】×
Hを省略せずにしっかりと書いて、配座異性体(下図のA')も書いて、確かめてみましょう。
Aはシス体ではなくトランス体です。

【2】×
Aとアを直接比べて、両者がエナンチオマーの関係にあるかどうかを判断するのは、けっこう難しいです。
Aのエナンチオマーを書き出して、それがアと一致するかどうかを判断するほうが簡単です。
・まずはAのエナンチオマー(ent-A)を書き出す
・次にent-Aとアを比べる。そのままだと分かりづらいので、どちらか一方の向きを変える(図ではアを左右逆にしたのち、環を反転させてア’としている)

両者は異なる化合物(立体異性体)なので、選択肢の記述は間違いです。
【3】○
選択肢【1】で示した配座異性体A'の構造から、イと同じものであることが分かりますよね。
というわけで、この選択肢は正しいです。
【4】○
上もしくは下を向くのがアキシアル位で、横側を向くのがエクアトリアル位です。
したがって、選択肢の記述は正しいです。

ちなみに、シクロヘキサン環を地球に見立てて、置換基が地球の軸(axis)の方向に出ていることから、『axial(アキシアル)』、赤道(equator)の方向に出ていることから『equatorial(エクアトリアル)』と呼ばれています。
【5】×
1,3-ジアキシアル相互作用は、アキシアル位にある置換基の間で働くものです。
下図は、メチル基とHの間で働く1,3-ジアキシアル相互作用を示しています。

Aがもつメチル基は(2つとも)エクアトリアル位であるため、選択肢の記述は間違いです。
というわけで、正解は【3】と【4】でした。
---
YouTubeでショート動画を始めました!
第109回と108回薬剤師国家試験の解説をしていますので、是非どうぞ↓
本ブログの管理人が【人体×化学】の書籍を執筆しました↓(2026年4月発売)
グルコースの代謝・ビタミン・ホルモンあたりの内容が苦手な方はぜひ!
体内の浸透圧や体液量の調節など、少々難しいところも説明しています。
バソプレシンやアルドステロンの意義が分かると思うのでお勧めです!
薬の書籍も執筆しました↓(2024年9月発売)
薬理学を簡単に説明しつつ、有機化学(医薬品化学)も織り交ぜています。
こちらも是非よろしくお願いします!
noteではサイエンスライターとして、薬をはじめとする様々な情報を発信しています↓
こちらもよろしくお願いします。
問題の出典: 厚生労働省ホームページ
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.htmll)
















