
メソ体かどうか、ということなので生成物は分子内に対称面をもつはずです。
まずは生成物の立体配置を考えずに構造を書き出し、その平面構造から、その分子が対称面をもち得るのかどうかを見ていきましょう。
その後で、該当するもののみ立体配置を考慮して構造を書き出し、対称面をもつものを見つけ出していきます。
このやり方ならば、全ての化合物について立体配置を考える手間が省けるはずです。
各々の生成物は以下のとおり。
【1】~【3】の生成物は、立体配置によっては対称面をもち得ます。
【4】と【5】の生成物は、立体配置がどうなろうと、対称面をもつことはありません。
この時点で対称構造をもたないと、立体配置を考慮したとしても対称面をもたないですよね。
というわけで、【4】と【5】の選択肢は除外します。

それでは、【1】【2】【3】について、立体配置も含めて全ての可能性を見ていきましょう。
【1】は中間体であるブロモニウムイオンA-1およびA-2を経由したアンチ付加。
A-1から生じるB-1とB-2はエナンチオマーの関係です。(どちらか一方を裏返してみると分かりやすいです)。
A-2から生じるB-3とB-4もまた、エナンチオマーの関係です。
というわけで、メソ体ではありません。
なお、これら4つの生成物を見比べてみると、B-1=B-4、B-2=B-3であることが分かります。

【2】もブロモニウムイオン(C-1およびC-2)を経由したアンチ付加。
向きを変えてみると分かりますが、生じる4つの生成物は全て同じものです(D-1=D-2=D-3=D-4)。
というわけで、【2】の生成物がメソ体です。
正解は【2】の選択肢でした。

【3】は四酸化オスミウムを用いたジヒドロキシ化で、シン付加。
F-1とF-2は、エナンチオマーの関係であり、メソ体ではありません。

今回、最初に行なったように、平面の段階で選択肢から除外できるものは除外しておきましょう。立体配置を考えなくて済みます。
なお、立体配置のついては次のように結果だけを暗記する方法もありますが、構造や反応を応用されると間違ってしまう恐れがあります。
・trans-2-ブテン + anti付加 → メソ体
・trans-2-ブテン + syn付加 → ラセミ体
・cis-2-ブテン + anti付加 → ラセミ体
・cis-2-ブテン + syn付加 → メソ体
1,2-ジメチルシクロヘキセン(=今回の選択肢【1】)の場合もcis-2-ブテンの結果と同様
国家試験の対策段階では、今回のように構造を省略せずに生成物をなるべく書き出し、一つひとつ構造を確かめながら理解しておくことが大切だと思います。
いざ本番で応用問題が出て困ってしまっても、この練習をしていれば対応できるはずです。
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問題の出典: 厚生労働省ホームページ
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.htmll)


















