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【薬剤師国家試験 第104回 問9】ヒスタミンの生合成を思い出そう

 問9は、 ヒスタミンに含まれる複素環を選ぶ問題です。

ヒスタミンの構造を覚えているならば難なく解けますが、覚えていないのであればアミノ酸や生合成の知識が必要です。

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 ヒスタミンは、生体内でアミノ酸ヒスチジンから生成するんでしたよね。

ヒトのタンパク質を構成するアミノ酸(20種類)の構造を全て書けるでしょうか?

ヒスチジンの構造を覚えていれば、5の選択肢が正解であることが分かりますよね。 

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 ヒスタミンヒスチジンから生合成されることを覚えていて、アミノ酸の構造を書くことができれば、解くことができますね。

 他にも、生体内ではアミノ酸であるトリプトファンからセロトニンが、グルタミン酸からγ -アミノ酪酸(GABA)がつくられていますよね。  

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 また、チロシンからドパミンノルアドレナリン、アドレナリンがつくられていることも思い出しておきましょう。

 あとは、尿素回路でアルギニンがオルニチンに変換されていますよね。

 余談ではありますが、うんちの匂いは主にインドールスカトールという化合物です。

 腸内細菌がタンパク質を分解して生じるらしいので、トリプトファンに由来するのでしょうね。       

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 ちなみに、インドールは濃度が高いと「うんちの匂い」、濃度が薄いと「ジャスミンの香り」がするそうです。*1

 以上、おまけの雑学でした。

 

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問題の出典: 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198921.html

*1:平山令明『「香り」の科学』-臭いの正体からその効能まで』講談社ブルーバックス(2017)