ばけがくしゃの勉強ブログ

薬剤師国家試験、有機化学、プログラミング、etc.

【薬剤師国家試験 第103回 問207】共鳴構造式を書いて共役系の長さを見極めよう

今回から、実践問題に入りますね。 問題文から、一番長い共役系をもつ化合物を選べば良いことが分かります。 共役している構造を囲ってみましょう。 正解は、明らかに5番の化合物ですね。 構造がsp3混成の状態で書かれている窒素原子があると共役系が途切れ…

【薬剤師国家試験 第103回 問107】NMRはシンプルなピークから解析していこう

問107はNMRの問題です。 NMRの問題は、シンプルなピークから解析していきましょう。 分かりやすいピークから帰属し、5つある選択肢をどんどん減らしていきましょう。 まずは、一重線から特定していきましょう。 基本的に、3–4ppmの3Hの一重線(イ)はメト…

【薬剤師国家試験 第103回 問106】複雑な構造に惑わされずにアルドール反応であることを見抜こう

問106の問題を解いていきましょう。 問題文に「アルドラーゼ」、「アルドール反応」、「逆アルドール反応」と書いてあることから、アルドール反応の問題であることが分かりますね。 左側に書いてある反応物Aが分解し、2つの化合物が生成しています。 このこ…

【薬剤師国家試験 第103回 問105】酵素と基質の相互作用について考えよう

今回は、酵素の活性部位に関する問題です。 とても難しそうな問題が出題されました。 基質タンパク質のペプチド結合、すなわちアミド結合が、酵素によって加水分解されます。 酵素を構成するアミノ酸のうち、この反応に大きく関わるのが、ヒスチジン(His)…

【薬剤師国家試験 第103回 問104】原因を予想してから改善方法を考えよう

問104は、酸塩化物とアミンの反応に関する問題です。 問題文を読んでみると、反応が途中で止まってしまったので、その改善方法を聞かれていることが分かりますよね。 かなり実践的な問題のようです。 改善方法を考える前に、なぜ止まってしまったのかを考え…

【薬剤師国家試験 第103回 問103】SN1反応の反応機構を書いて解こう

問103は、問題文にSN1反応と明記してあります。 SN1反応の知識をもって解いていきましょう。 【1】……命名法に関する設問です。 鎖状の炭化水素を命名する際には、はじめに主鎖を見極めましょう。 一番長い炭素鎖を探します。 一番長い部分は下に示したとこ…

【薬剤師国家試験 第103回 問102】エポキシ化→加水分解の反応機構を書いて考えよう

問102は反応機構に関する問題です。 有名な試薬である「m-クロロ安息香酸」が登場しています。 この試薬を使っているときは、たいてい「エポキシ化」か「Baeyer–Villiger酸化」の反応に関する問題になります。 今回は、この試薬をオレフィンと反応させている…

【薬剤師国家試験 第103回 問101】シクロヘキサン誘導体の最安定配座を書いてみよう

問101はシクロヘキサン誘導体の立体配座に関する問題です。 設問に色々書いてありますが、まずは最も安定と思われる立体配座を図示してみましょう。 今さらかもしれませんが、シクロヘキサンの書き方を確認しておきますね。 下図のように、平行な線を2本ず…

【薬剤師国家試験 第103回 問100】酸素原子の電子数を数えることから始めよう

今回から理論問題に移ります。 問100は非常に難しそうな問題ですが、落ち着いて解いていきましょう。 電子(↑と↓)の総数を数えてみると、17個ありますね。 酸素原子(O)の電子数は8なので、酸素分子(O2)ならば電子を計16個もっていることになりますよね…

【薬剤師国家試験 第103回 問10】酸性度は共役塩基の安定性を比較しよう

問10は、pKa値に関する問題です。 酸性度や塩基性度を比較する問題は頻出ですよね。 化合物の酸性度を比較するときは、プロトンを放出した後のアニオン(共役塩基)を考えると分かりやすいです。 各々のカルボン酸を眺めてみると、酢酸および酢酸にハロゲン…

【薬剤師国家試験 第103回 問8】芳香族性を示すための条件を確認しよう

問8は芳香族性に関する問題です。 芳香族性を示すためには、「①環状に非局在化した π電子を4n+2個もつ」、かつ、「② その環が平面構造である」必要があります。 この2つの条件は、必ず覚えておきましょう。 まずは、「① 環状に非局在化した π電子を4n+2個も…

【薬剤師国家試験 第103回 問6,7,9】置換基の命名・絶対立体配置・亜鉛の酸化数

今回から、第103回の薬剤師国家試験に入ります。 必須問題の問6,7,9は比較的簡単なので、一気に解説しますね(問8は次回です)。 置換基の命名に関する問題ですね。 「2-メチルブチル基」ということなので、ブチル基の2番目にメチル基をくっつければいい…

【薬剤師国家試験 第104回 問213】なぜプロドラックにしているのかを考えよう

問213は、バラシクロビルに関する問題です。 この問題で第104回薬剤師国家試験の解説を終わりにします。 【1】……バラシクロビルがプロドラッグであるならば、生体内で構造のどこかが変わるはずです。 プロドラッグの典型的な変換は、エステルの加水分解です…

【薬剤師国家試験 第104回 問211】 水溶性が高くなるかどうかを考えよう

問211は、前問に引き続き、生体内で医薬品がどのように変換されるのかを考える問題です。 今度は排泄に関する変換ですね。 問題文のとおり、基本的に医薬品は、生体内で水溶性の高い化合物に変換されてから排泄されるんでしたよね。 尿の主成分は水ですから…

【薬剤師国家試験 第104回 問209】プロドラッグが生体内でどのように変換されるのかを考えよう

プラスグレルという医薬品の代謝経路に関する問題ですね。 問題文から、この医薬品はプロドラッグであることが分かります。 スキームを見てみると、三段階の変換を経て活性代謝物になるようです。 それでは、各段階で何が起こっているのか確認していきましょ…

【薬剤師国家試験 第104回 問207】化学の考え方とシスプラチンの知識で解こう

今回から実践問題(有機化学限定)に入ります。 かつての薬剤師国家試験(〜96回まで)には、この手の問題は少なかったですね……。 私は医療現場で働いた経験がありませんが、化学の力で実践問題を解いてみますね! 【1】……錯体は配位子交換しますよね。 シ…

【薬剤師国家試験 第104回 問106】NMRの問題を解くときは構造を省略せずに書こう

問106は、NMRの問題です。 問題文に記載されている示性式のような構造を見ながら解いていくと、分かりにくくて間違えるリスクが高いです。 まずは化合物を構造式に書き直しましょう。 このとき、Hを省略したり、メチル基を「Me」にしたりせずに、構造がはっ…

【薬剤師国家試験 第104回 問105】ニトロソニウムイオンの問題は反応機構を思い出しながら解こう

続いて、問105を解いていきましょう。 亜硝酸ナトリウムとHClから発生するのはニトロソニウムイオンです。 反応機構を書けるようにしておきましょう。 【3】のアニリンと反応した場合、塩化ベンゼンジアゾニウムが生成しますよね。 高校化学でもおなじみの…

【薬剤師国家試験 第104回 問104】活性メチレンと求核置換反応の化学を駆使して解こう

この問題では、活性メチレンについて、そして求核置換反応について学べます。 これらについて、しっかりと復習しましょう! 下記のように、活性メチレン部位のHを塩基であるナトリウムエトキシドが引き抜き、エノラートが生成します。 生じたエノラートはハ…

【薬剤師国家試験 第104回 問103】反応する官能基を見抜こう

続いて、問103を解いていきましょう。 この反応は、ケトンとヒドラジン誘導体の反応ですね。 大学の講義では、「シッフ塩基」とか「カルボニル試薬」という言葉を用いた説明があったかもしれません。 まずは、各々の化合物のどの官能基が反応に関わるのかを…

【薬剤師国家試験 第104回 問102】生化学反応の反応形式を見極めよう

問102は生体内での反応の、反応形式を判別する問題です。 求核置換反応(SN反応)に分類される反応を選ぶわけですね。 SN反応という用語は、SN1反応とSN2反応のことを意味しているのだと思います。*1 それでは、SN1反応とSN2反応を選んでいきましょう! 【1…

【薬剤師国家試験 第104回 問101】六員環の化学を考慮しながらE2反応の問題を解こう

問101はE2反応と六員環(シクロヘキサン)の化学を組み合わせた問題ですね。 学ぶことが多い問題ですので、しっかりと復習しておきましょう。 問題文にE2反応と書いてあります。 強塩基であるナトリウムエトキシド(NaOC2H5)によって反応物のHが1つ引き抜…

【薬剤師国家試験 第104回 問100】キレートする部分構造を見極めよう

さて、ここからは理論問題に移りますね(有機化学に関連した問題に限定しています)。 早速、問100から始めていきます。 有名なキレート剤、EDTAに関する問題です。 【1】……十座配位子ということですが、そんなに多くの箇所で配位しないですよね。 カルボキ…

【薬剤師国家試験 第104回 問9】ヒスタミンの生合成を思い出そう

問9は、 ヒスタミンに含まれる複素環を選ぶ問題です。 ヒスタミンの構造を覚えているならば難なく解けますが、覚えていないのであればアミノ酸や生合成の知識が必要です。 ヒスタミンは、生体内でアミノ酸のヒスチジンから生成するんでしたよね。 ヒトのタ…

【薬剤師国家試験 第104回 問8】鎖状アルカンの配座異性体はNewman投影式で考えよう

問8は鎖状アルカンの安定配座に関する問題ですね。 この手の問題は、各々の配座異性体(コンホマー)をNewman投影式に書き直して考えていきましょう。 選択肢の1を例にしてNewman投影式を書いてみますね。 問題文で「C2-C3結合を回転させた」と言っていま…

【薬剤師国家試験 第104回 問7】塩基性の強さを比較しよう

続いて、第104回の問7を解いていきましょう。 塩基性の強さを比較する問題ですね。 1の化合物はグアニジンであり、塩基性を示します。 塩基性の強さを評価するときは、評価する化合物をプロトン化してみると理解しやすくなります。 その様子を下に示しまし…

【薬剤師国家試験 第104回 問6】ルイス構造式の電子数を数えよう

有機化学を中心に、薬剤師国家試験の解説をしていきたいと思います! 私のスペック……薬学部卒(薬剤師免許取得)→ 大学院で有機化学の研究 (博士号取得)、製薬企業の研究員と大学の教員を合わせて計5年以上の職歴あり。 それでは、第104回から遡っていきま…

Pythonの「超」入門書をやり遂げました!

【確かな力が身につくPython「超」入門】で勉強し続け、ようやく読み終わりました。 印象に残ったことを書いていきます! まずは、GUI( グラフィカルユーザーインターフェース)についてです。 通常、PC内のファイルを開くときはフォルダ内のファイルをクリ…

Pythonの「超」入門書で勉強中です!

すでに購入済みの【確かな力が身につくPython「超」入門】で勉強中です! この本の流れに沿ってコードを書いていきました。 「条件分岐」のところは分かりやすかったですね。 『if』、『elif』、『else』は、各々『もし』、『そうでないならば』、『どちらの…

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